人間のアポクリン汗腺は退化してきている?

人間が汗をかくという場合は、
通常はエクリン汗腺からの分泌物のことを指します。

 

しかし、汗腺にはもうひとつアポクリン汗腺というものもあって
そこからも分泌物を出しています。

 

エクリン汗腺からの汗(分泌物)は、ほとんどが水分ですが、
アポクリン汗腺からの汗(分泌物)は、様々な成分が含まれています。

 

タンパク質、脂質、糖質、アンモニア、鉄分など実に多彩な成分が含まれていて、
それらは各個人によって微妙に違っており、
その違いが臭いの違いとして現れてくるんですね。

 

こうした臭いの違いは、フェロモンとしての役割を持っているので、
異性を引き付けるには重要な要素といえます。

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人間以外の動物の場合では、エクリン汗腺よりもアポクリン汗腺のほうが
発達しているものも多く、仲間を確認したり、異性を引き付けるために
さまざまな物質を分泌していることは、多くの人が知っていることと思います。

 

ちなみに、犬や猫には、ほとんどエクリン汗腺が存在していません。
つまり、ほとんど汗をかかないということですね。

 

夏場に、汗でびっしょり濡れた犬や猫を見かけたことなんてありませんよね。
これは、エクリン汗腺と呼ばれる汗を出す器官が全身に備わっていないので、
そもそも汗をかかない動物なんですね。

 

では、どのように体温調節をしているのかというと、
犬の場合なら、口を開けて呼吸することで、口の中から水分を蒸発させて
体温を下げています。

 

犬が常に口を開けてハァハァ呼吸しているのは体温調節のためでもあるんですね。

 

また、猫の場合は、汗をかかない体質です。
なぜなら、体が小さいので、熱が直ぐに体外に逃げてしまうので、
そもそも体温を下げる必要性がないんですね。

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ということで、体から分泌物を出すという場合、
人間以外の動物ではアポクリン汗腺のほうが主役になります。

 

もちろん人間も動物ですから、異性を引き付ける役割を持つアポクリン汗腺が
存在しているのは仕方のないことですが、文明社会、人間社会の発達の過程で
アポクリン汗腺は、どんどん退化しています。

 

おそらく、原人や猿人と呼ばれた人間文明の始まりの時代には
ほかの動物と同じく、臭いは異性を引き付ける重要な要素であったでしょう。

 

しかし、文明が発達した現代社会においては、人間関係が複雑になり、
お互いのコミュニケーションの仕方も多岐にわたっており、
各個人が考える異性の魅力の基準もどんどん変わっています。

 

今となっては、”臭いの好き嫌い“を異性の価値基準においている人は
ほとんどいないと言える状況です。

 

そうした生活環境の変化、考え方の変化が、何千年も積み重なって、
アポクリン汗腺を徐々に退化させてきたといえるでしょう。

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